2021〜24 / G1

国内GI&Jpn1・日本馬の勝利した海外のG1を対象に、各レース終了後に勝ち馬をロゴ化、投稿しています。

対象年は、2021年下半期〜2024年です。


先ほどの東京大賞典の投稿をもって、今年の日本のG1級勝ち馬を、全てデザインできました。

クライアントワークも含めると、今年作成したデザイン数は“100”に迫ります。


この取り組みを始めたのは、2021年の秋競馬から。

それ以来、1レースも欠かすことなく投稿を続けられたことに、達成感を覚えています。


いつもお付き合い頂き、本当にありがとうございます。

少し、振り返りをさせてください。


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ロゴケイバの活動は、競馬そのものに似た要素を多く含んでいると感じます。

コンセプト立案〜文章作成〜デザイン制作まで、わずか2時間の一発勝負。

スタートを切ったら、もうやり直すことはできません。

時には、情報の乏しい穴馬が勝つこともある。

時には、予想もしない展開が待ち受けている。

それでも、即座に現実と折り合い、ただゴールを目指して駆け抜けるのです。


競馬において、全てが完璧な状態で走り切れることは稀です。

同様に、デザイン制作も常に理想的な条件が整うわけではありません。

投稿後に気づくミスや、ああすればよかった…と後悔することも少なくありません。

けれど、出てしまった結果は受け入れるしかありません。


この無茶な挑戦を続けられるのには、理由があります。

駆ける人馬の姿が、私の想像力や創作意欲を刺激してくれるからです。

そして、待ってくれている皆さんを楽しませたいからです。


馬に跨ったことも、走らせたこともない私。

それでも、大好きな競馬に関わることができる。

デザインという、手段を使えば。


名前も知らない、住んでいる場所も分からない。

そんな遠くの誰かの、心を揺さぶることができる。

ロゴケイバという、企画を通せば。


こうした繰り返しが、ロゴケイバの継続に繋がっていること。

時折訪れる達成感が、更なる向上心を掻き立てていること。

これらは、もはや疑いようがありません。


全ては、懸命に走る人馬と関係者の皆様。

更には、ロゴケイバを楽しんで下さる、あなたのおかげです。

今年もまた、ロゴケイバをやめられない、やめたくない理由が強くなってしまいました。

2025年も、何卒よろしくお願いします。


新年最初の投稿は、JRA年度代表馬のデザインです。

それでは、どうぞ良いお年をお迎え下さい。



「青春は続く。魂が燃える限り。」


陣営は言った。

“国内では負けられない”。

高い志は、成果と比例するから。


来年、古馬となる。

必ず、世界を制す。


いつだって、今日が一番若い日。

だからこそ、挑み続ける。


最高の視座を胸に、

師走の玉座に就いた。


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[補足1]

“国内では負けられない”と述べたのは、指揮官の矢作調教師。

それもそのはず、BCクラシック3着・ケンタッキーダービー3着。

国内無敗のジャパンダートクラシック馬です。


競馬を知らない人々に伝えたい。

野球で例えれば、バリバリのメジャーリーガー。

そしてまだ、高卒1、2年目の日本人。

といったところです。


[補足2]

そもそもこの秋は、とんでもないローテーションです。

10、11、12月で、大井→デルマー(米国)→大井です。

国内外不問かつ、タフガイ。

このタイプの名馬は、日本初と言って良いと思われます。


[補足3]

だからこそ、8割の出来。

それでも、勝ってしまうのですから、器が違います。


[補足4]

大井競馬場は、世界への玄関口である羽田空港のすぐそば。

なおかつ、鞍上・坂井騎手の故郷です。

そんな土地で、きっちり勝つ。

人馬ともに、やはり器が違います。


[補足5]

2024年の通常ロゴケイバは、これが最後の投稿です。

ですが、今夜もう1つ投稿があります。

最後の最後まで、お付き合いくださいませ。



「心に届く走り」


大怪我を乗り越えた騎手が、

無敗の物語を紡ぎ始める。


その闘志を精密な操縦性で、

勝利に繋げる、本馬。


情熱と冷静が、

“交差”した時。


大観衆は確信した。

人々を惹きつける、明るい未来を。

そして、希望のような暖かさを。


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[補足1]

クロワデュノールとは、北十字星(仏語)を意味する馬名です。


[補足2]

父:キタサン“ブラック”。

母:ライジング“クロス”。

父母の名前をミックスした上で、さらなる表現に昇華させたものと思われます。


[補足3]

北村友一騎手は、復帰まで1年を要する落馬事故に遭遇しています。(2021年5月)

この際には、クロノジェネシスへの騎乗(21年の宝塚記念以降)も取りやめになっていました。


[補足4]

当時のクロノジェネシスは、古馬中長距離路線の主役格であり、その時の失意は想像するに余りあります。


[補足5]

そして復帰後の北村騎手に巡ってきた、チャンスが今日でした。

“クロ”ノジェネシスにどこか似た名前の、“クロ”ワデュノール。

しかも、同じ馬主・同じ調教師。

今日の勝利ジョッキーインタビューでの涙も頷けます。

「虹の革命家」


現実という壁に、

夢は何度も跳ね返された。


しかし。

悔し涙の度に、

個性は磨かれた。


“自分らしさ”とは。

性別も年齢も、全く関係のない所にある。

“自ら選んだ生き方”のことだ。


今日を境に、全ての挫折が伝説となった。

さぁ、新時代が始まる。


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[補足1]

昨年、ホープフルステークスで勝利した、レガレイラ

史上初めて、2歳の時点で“ジェンダーフリーな強さ”を誇示していました。


[補足2]

その器に見合うだけの夢を追いかけた、今年の春。

牡馬クラシックを“本命”として、歩みました。

しかし、現実は厳しく。

今日の有馬記念まで、勝利から遠のいていました。


[補足3]

ところが。

今日の勝利で性別はおろか、世代をも超えた頂点に君臨。

ダービーの借りを、有馬記念で返す牝馬。

前代未聞です。

新時代を作っていくにふさわしい、格別の存在です。


[補足4]

今回もデザインモチーフはジェンダーフリーを示す、虹。

ですが、中山2500mのコース形態をイメージし、グルグルと駆け抜けるようなシェイプとしました。


[補足5]

今日のBGMは。

Rage Against The Machineの、Renegades Of Funk。

何の区別もなく、時代を変えていく彼女に相応しい曲です。

お聞きになりたい方は、こちらから

歌詞の和訳は、こちらから

「二度目はもっと素敵」


二年の時を越え、歓声が飛ぶ。

あの日と同じ舞台で、趣の異なる歓喜が広がる。


初制覇でも、連覇でも、手に入らない。

それは、返り咲く喜び。


その光は、彼に携わるチームの絆を、

更に強くする。

三度目は、どんな宝物になるだろう?


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[補足1]

デイジーとは、ひな菊のこと。

加えて、“素敵なもの”などの意味も込められた言葉です。


[補足2]

本馬の口取り式では、勝浦元騎手が騎乗しての記念撮影が行われていました。

元々、平地時代のニシノデイジーには、彼が騎乗していた縁によるものと思われます。

こんな素敵な計らいが行われるところに、チームの絆を感じます。


[補足3]

本馬は、来年9歳。

障害馬としては、まだまだ活躍が期待できます。

三度目の中山大障害制覇に、期待が膨らみます。


[補足4]

なお、本馬は2019年クラシック世代。

同期に、ラヴズオンリーユーグランアレグリア、クロノジェネシスなどがいる世代です。

この年のダービー馬は、ロジャーバローズ。

‥こう書くと、ものすごく遠い昔に思えます。


[補足5]

一昨年、初制覇時のロゴケイバはこちらから



「高解像度の青写真」


名手は、才能に跨る時。

完成像が、“鮮明に見える”のだろう。

まさに慧眼。


拡大し続けた、後続との差。

拡大した被写体のように、

肉眼では見えないものを映し出す。

それは“来春も栄光に包まれる、人馬の姿”。


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[補足1]

青写真とは、“未来の構想や計画”を意味する言葉です。

アドマイヤ軍団の勝負服は、お馴染みの青色です。


[補足2]

現在のアドマイヤ軍団は、奥様の近藤旬子さまが引き継がれております。

今回のように、友道調教師とアドマイヤ軍団のコンビでの朝日杯勝利は、アドマイヤマーズのケースがあります。

香港マイルの際のものですが、ロゴケイバはこちら


[補足3]

川田騎手の勝利インタビューでは、まるで事前から勝つのが分かっていたような、自信を感じました。

単勝5番人気の評価とは裏腹に、“4コーナーで勝てると思った”。‥この言葉が印象的です。


[補足4]

ただ、鞍上が“難しい部分”と形容する、気がかりな部分があるようです。

ここは“拡大”されないように、来春の活躍を待ちたいところです。


[補足5]

なお、ズームには“急速に移動する、急速に大きくなる”などの意味があります。

ですが、実生活においては“カメラのズーム機能による拡大”を指すことが多いため、こちらをデザインモチーフとして採用しました。

ただ、この場合でも“焦点距離を急速に変える”という意味合いを語源に持つようです。



「運命が、使命に変わる時」


蹴り上げた、煌めく砂粒。

それは祝福の光。


レース史上、牝馬最小戦歴での無敗戴冠。


一流ダート馬の主戦場が、

諸外国となった昨今。


一夜にして集めた、

期待という名の“無数の愛”を抱いて、

若き女王は、海を渡る夢を見る。


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[補足1]

ミリアッドラヴは、まさに運命の出会いに導かれているようです。

本馬のオーナーである、白石明日香氏。

所有している馬は、本馬を含めて2頭。

その中から、G1級勝利馬となりました。

奇跡とも呼べる、確率です。


[補足2]

ミリアッドラヴとは、“無数の愛”との意味です。


[補足3]

ご存知の通り、一流ダート馬は3歳春から、どんどん海外遠征をする時代です。

一昨年はデルマソトガケ、去年はフォーエバーヤングと、全日本2歳優駿の勝ち馬は海外で大活躍です。

運命は“使命”へと育っているかのように、期待が高まります。

「新星と開く、未来のページ」


同世代で最も速く、それを開いた乙女。

同世代に負けじと、ついに開いた若武者。


冬が明けると、“春の章”の主人公だ。

きっと、“満開の桜の下”を迷わずに駆けて行ける。

G1ウィナーとなった、このコンビなら。


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[補足1]

新星とは、新しいスターを意味します。

大野オーナーの勝負服には、“白星散”があしらわれています。

馬・騎手のみならず、馬主も中央G1初制覇です。


[補足2]

大野オーナーの冠名は、ヴェローチェ。

意味は、イタリア語で“迅速”。

まさに、牝馬にとって最初のG1を獲りました。


[補足3]

岩田望来騎手は、G1を61回挑戦していました。

かつ、今年は同期(菅原騎手・団野騎手)がG1をそれぞれ勝利。

負けられない思いが、ついに花開きました。


[蛇足]

岩田望来騎手の父は、園田競馬出身・岩田康誠騎手。

ヴィッセル神戸が、Jリーグを連覇した今日。

兵庫県出身の中の人としては、嬉しい1日となりました。

「振り絞ったのは、信念」


自ら鍛えた力は、不滅だ。

誰にも奪えない。


故に、彼の肉体は“彼自身を裏切らない”。

窮地である程、更なる真価を発揮する。

積み重ねてきた時が、支えてくれる。


したたり落ちた、最後の一雫。

それは最高の甘露。


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[補足1]

筋肉は裏切らない。

トレーニングを積む人たちは、そう語ります。

それは、馬にも適用されるようです。

力で切り拓いた、引退の花道でした。


[補足2]

引退レースを勝利した直後に、引退式を行う。

とてつもない快挙ですが、前例は複数あります。

しかし、あんな大激戦を走り切った後に引退式を行った馬。

これは、レモンポップが本邦初ではないでしょうか。


「逆襲が神話を作る」


不屈の魂で、末脚を抜刀した瞬間。

誰もが、同時に確信した。


“去年の忘れ物”。

世界を相手にして、

完全に奪い取ることを。


夢を上書きし続けた、競走生活。

遂に最終章を迎える。


もっともっと超えていけ。

人々の期待を、想像を。


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[補足1]

逆襲ポイントが貯まれば、走るのかな‥と武豊騎手が話したほど、逆境に強い本馬。

実はこれまで、一番人気でG1を勝利したことがありませんでした。

ですが、今回は世界を相手に一番人気でジャパンカップ勝利。

自身のキャリアそのものにも、逆襲しました。


[補足2]

去年の忘れ物とは、武豊騎手が負傷で騎乗できなかった、天皇賞・秋とジャパンカップを指します。

つまり、ドウデュースにもう忘れ物はありません。


[補足3]

引退レースとなる有馬記念は、約1ヶ月後。

史上3頭目の秋古馬三冠達成で、この神話を締め括れるか。

最高にワクワクする、ラスト1ヶ月が始まります。

「悔しさとは、強さ」


喉から手が出るほどに募った、

勝利への想い。


それはいつしか渇望となり、

勝負師たちを磨き上げる。


夢が現実となった刹那、

燃えるような喜びが、身体中を突き抜けた。

炸裂したガッツポーズの拳は、

彼らの“魂の形”だ。


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[補足1]

ソウルラッシュにとって、マイルチャンピオンシップは3回目の挑戦。

欧州現役最強マイラーや、連対率100%の強豪牝馬を退けてのG1初勝利。

最後かもしれないチャンスを、強力メンバー相手に勝ち取りました。


[補足2]

注目したいのは、21年クラシック世代の大活躍ぶりです。

エフフォーリアタイトルホルダーソダシなどが代表的存在です。

彼らが引退し、6歳となっても、まだまだこの世代は健在です。


[補足3]

団野騎手はG1・2勝目。

1勝目は、当時7歳馬のファストフォースとの高松宮記念でした。

団野騎手と老兵は、好相性なのかもしれません。


・当時のロゴケイバはこちらから。


・優勝記念グッズも制作させて頂きました。

「嫌いになれない男」


心に鬼を宿した。

勝つために。


自らを嫌われ者だと、云う。

それでも、彼から放たれる言動は、

何かを成そうとする者の道標となっていく。


正統派ではないかもしれない。

だが、“ヒーローとしてあるべき姿”を示す男だ。


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[補足1]

“嫌いになれない”を素直な言い回しにすると…恥ずかしいですね。

従って、今日の川田騎手の勝利インタビューのような言い回しで、賞賛させていただきました。

参考記事_https://news.yahoo.co.jp/articles/f79820f37f812f945d86984c96ab3adfd085b266


[補足2]

川田騎手は、佐賀競馬で育ちました。

その佐賀競馬で開催されたJBC。

圧倒的なプロ意識で、勝たねばならない時に勝つ。

これがヒーローの条件のように思います。