2025 / G1 / Will

[ ロゴケイバとは]

ロゴケイバは、国内GIおよびJpnI競走、さらに日本馬が勝利した海外のG1を対象に、レース終了後、勝ち馬の名前をロゴ化して投稿するプロジェクトです。


[ Willとは]

Willは、当該レースで印象的な走りを見せた2着以下の馬をモチーフに、言葉だけで記録を残す企画です。

ロゴの制作は行いません。

あえてプレーンな文字表記にとどめ、その名前が、いつか本物のロゴが制作できる日を願って投稿しています。


先ほどの帝王賞の投稿をもって、2025年上半期・日本のG1級勝ち馬のデザインを全て投稿できました。

お付き合い頂いた皆さま、いつも本当にありがとうございます。


“ロゴケイバを見るまでが、G1”。

そんな趣旨の言葉をいただくたび、文化として根づき始めていることを実感し、嬉しく思っています。


だからこそ、たとえ完璧に納得がいかなくても、完成させる。

しっかりと意味を込める。

レースから2時間以内に投稿する。

そのための最善を尽くす。

そう、決めています。


ロゴケイバは“作品”を作ることが目的ではなく、

“文化”を作るための勝負だからです。


ロゴケイバは、来る秋競馬で4周年を迎えます。

また一つ、季節を越えることができました。

この取り組みを支えてくださる全ての皆さまに、心より感謝申し上げます。

下半期も、文化を築く歩みを止めず、引き続き積み重ねて参ります。


なお、夏競馬の期間中ですが。

・G1に限りなく近い、“スーパーG2”札幌記念。

・海外遠征馬による、G1制覇。

・ご依頼いただいた、デザイン案件のご紹介。

・その他、大偉業の達成時。

これらに該当する場合は、引き続き投稿を予定しています。

どうぞお楽しみに。



「やり返すまでは終われない」


同期は、世界王者になった。

悔しさのパンチは、重く、苦い。


…三度目のGⅠ。

今度こそ、倒れるわけにはいかない。

青春の苛立ちで固めた拳が、

熱帯夜を粉砕する。


圧倒的一番人気に応え、

彼は、更なる上の領域へと殴り込む。


ーーーー


[補足1]

強い2024年クラシック世代。

その中でも、特筆すべきは世界王者フォーエバーヤング

去年のジャパンダートクラシックにおいて、ミッキーファイトは2着に敗れています。


[補足2]

今年のフェブラリーステークスは1番人気で挑むも、敗北。

今夜、G1級を三度目の正直で勝利しました。


[補足3]

ミッキーファイトという名前にあやかり、ロゴケイバ史上初めて、明確にボクシングをテーマとしたデザインに仕上げました。

これまでロゴケイバでは、意識的に“手”にまつわる表現を避けてきました。

(掌中・掌握・手に入れる・栄光を掴む・手繰り寄せる‥など)

なぜなら、馬には“手”がないからです。

けれど今回は、ボクシングという明確な文脈のもと、デザインとして楽しむことができました。


[補足4]

これで2025年上半期のG1級レース全てを、ロゴデザイン化できました。

前半戦終了です。

ですが、今夜はもうひとつ投稿します。

もう少しお付き合いください。



「示唆の水域」


昨日を思い出せないほどの速さで、日々は過ぎる。

濁流の社会を、黙々と泳ぐ。


それでも、不意に価値観を決定するような事に出会う。

迷いの中に差し込む、一瞬の息継ぎのように。


“誰と、どう生きるか”

人生も、馬の一生も、きっとそれで決まる。


ーーーー


▼補足1▼

今日の浦和競馬場は、不良馬場。

そして、シャマルはその舞台設定が大得意です。


▼補足2▼

ご存知の通り、川須騎手とシャマルは名コンビ。

一日中乗っていると表現されるほど、調教時から人馬一体とのこと。


▼補足3▼

デザイン業界に入ったばかりの頃、ふと感じたことがあります。

「デザイナーと騎手は、どこか似ているのではないか」と。

依頼がなければ、そもそも仕事は始まりません。

そして、たとえ任されても、結果を出せなければ、次はありません。

商業の世界であり、結果がすべての勝負の場であるからです。


馬で言えば、G1クラス。

デザインで言えば、上場企業をクライアントにした案件。

それらは、特に競争が激しく、誰もが関わりたいと願う領域です。


そんな厳しい環境の中で、発注者と受注者が強く信頼し合い、長く同じ目標に向かって研鑽を重ねられるという状態になるには、偶然が入り込む余地などないはず。

「実力」として讃えられるべきだと、あらためて感じています。


だからこそ、個人的に、騎手という職業には強いシンパシーを覚えます。

中でも、川須騎手のような在り方には、ひときわ大きなリスペクトを抱いています。




「競馬の真髄」


その厳しさを知る者ほど、

気づいている。


能力だけでは届かないレベルがあり、

孤独では辿り着けないゴールがあると。


夢は、一人で見ると脆い。

だが、誰かと見ると、希望になる。


言葉を超えて、心が動く。

競馬は、“絆”のスポーツだ。


ーーーーーー


▼補足1▼

今回のデザインは、メイショウの「M」が頂点へと到達する姿を表現しています。

その頂点は、武豊騎手・石橋守調教師・松本好雄オーナーの“三位一体”によって、成し遂げられたものであることも示唆しています。


▼補足2▼

武豊騎手と石橋守調教師は、幼なじみです。

また、石橋師は武騎手の兄弟子にあたる存在です。

ただの仕事仲間ではなく、長い時間をともにしてきた間柄です。


▼補足3▼

石橋師は騎手時代、松本オーナーの所有馬メイショウサムソン号で、皐月賞・日本ダービー・天皇賞・春を制しました。

そして調教師となった今も、松本オーナーの所有馬を多く預かっています。


▼補足4▼

メイショウサムソン号が凱旋門賞に挑戦する際、松本オーナーは鞍上に武騎手を指名しました。

そのとき、オーナーは石橋師と武騎手の二人を呼び、「今回ばかりは私のわがままを聞いてほしい」と語り、騎手交代の依頼した逸話があります。

この“わがまま”の重みを、本当に理解できるようになるためには、まず懸命に働く必要があると感じます。

人に仕事を任せるとはどういうことか、人からお仕事を預かるとはどういうことなのか。

こんな人と働いてみたいと思わせる、エピソードです。


▼補足5▼

石橋師の騎手時代における、G1初制覇。

それは、メイショウサムソンの皐月賞です。

すなわち、松本オーナーの所有馬です。

そのロゴケイバはこちらから。


▼補足6▼

本馬のGallop速報フォトプラスは、6/17(火)に発売。 詳細は別途ポストします。




「容赦なき、野性」


暴走。

その姿に、後続は好機を見た。

だが、それは束の間の夢だった。


荒ぶる闘争本能は、

現実を叩きつける。


彼に常識を求めること自体が、

非常識だ。


不安要素を解決する必要など、ない。

全てを踏み潰し、物語は最終章へと進む。


ーーーーーー


[補足1]

逃げの形になってしまった、1コーナー。

気性に課題があるとはいえ、これは想定外でした。

最後の直線で捕まる!

競馬を知っている者ほど、そう思ったはずです。

それでも突き抜けたのですから、信じられません。

オルフェーヴルが2着に入った、あの阪神大賞典に匹敵するほどの“破天荒さ”です。


[補足2]

これで、堂々のダート二冠達成。

三冠ロードの最終章は、ケンタッキーダービー遠征勢との対決となるのでしょうか。

いずれにせよ、芝三冠戦線とはまた違う熱気があり、この物語は、ますます目が離せません。




「天才で終わってたまるか」


天から授かった才。

本物であると証明するには、

耐える時間が要る。


好不調の波に。

成長曲線の歪みに。

或いは、運に。


試練は、日常に潜んでいる。

けれど、それを乗りこなせた時。


天才は、天下無双となる。

今日のように。


ーーーーーー


▼補足1▼

ジャンタルマンタルとは、インドにある“天”体観測施設という意味です。


▼補足2▼

今日、安田記念・歴代最多勝を達成した川田騎手。

ジャンタルマンタルがまだ若駒だった頃、こう述べていました。

“日本で一番のマイラーになる”と。


▼補足3▼

安田記念の直前、高野調教師は語っていました。

“完成度の高い馬でしたが、さまざまな面でパワーアップしており、早熟ではありません。素晴らしい状態に仕上がっています”と。


▼補足4▼

上述のコメントから読み取れるのは、ジャンタルマンタルの才能が、明らかに突出していたということ。

それを証明するのは、“NHKマイルカップと安田記念の両方を制したのは、本馬が史上初”という事実。

この快挙は、天才であり続けることが、いかに難しいかを雄弁に物語っています。


▼補足5▼

ジャンタルマンタルの走りは、名前の響きも相まって、いつもファンクを感じるのです。

なんだか今日は、レッチリのような解釈のファンクを感じました。

今日の制作BGMはこちら。

Red Hot Chili Peppers / The Power of Equality


▼補足6▼

本馬のGallop速報フォトプラスは、6/10(火)に発売。 詳細は別途ポストします。


「北十字星の下、心はひとつ」


ダービーは、嘘をつかない。

仲間を信じた者が勝つ。

ブレなかった者が勝つ。


子供に見せたくなるような、 ヒーロー。

“かっこいい”って、こういうことだ。


星に願いをかける。

‥こんな歓喜が、世の中に溢れますように。


------


▼補足1▼

クロワデュノールの馬名の由来は、「北十字星」(フランス語)です。


▼補足2▼

クロノジェネシスとのコンビで活躍していた最中に、北村騎手は大事故に見舞われました。

その怪我を乗り越えての、ダービー制覇。

しかも、クロノジェネシスと同じ、斉藤調教師とのタッグで実現させました。


▼補足3▼

中の人は、決して立派な人間ではありません。

ですが、年を重ねるにつれ、未来を担う子どもや若者たちには、できるだけ“素敵な物事や出来事に触れてほしい”と、強く思うようになりました。

そして、良い刺激を届けることこそが、僕たち大人の役目なのだと感じています。

それが、まさに今日のクロワデュノールであり、北村騎手であり、斉藤調教師です。


人は、血縁がなくても。

たとえ、テレビの向こう側の存在であっても。

ビジョンや意思を引き継いでいける生き物なのだと、私は信じています。


▼補足4▼

本馬のGallop速報フォトプラスは、6/3(火)に発売。 詳細は別途ポストします。

「これが私の晴れ姿」


王道から外れたと気づいた時。

心は、小さくなる。


未来は変えられる。ありのままでいい。

そういうけれど、貫ける者は少ない。


だからこう考えたい。

誰も真似できない道を歩いていると。


雨上がりの空が、真に強い女を祝福する。

天晴れ。


ーーーーー


▼補足1▼

カムニャックの馬名由来は、「祝福された者(サンブル語)」


▼補足2▼

戦前は、桜花賞組の3強ムードでした。

一方、カムニャックは桜花賞に出走しておらず、前走はフローラS。

しかもフローラS勝ち馬から、オークス馬が出ることは珍しく、2010年のサンテミリオン以来です。

(しかも、アパパネと同着での勝利。)


もっと珍しいのは、本馬が中京デビューであること。

その経歴を持ったオークス馬となると、1991年イソノルーブル以来。

史上でも、本馬を含めて3頭しかいません。

(もう1頭は、トウカイローマン)


▼補足3▼

本馬の曽祖母は、95年のオークス馬・ダンスパートナー。

96年には、エリザベス女王杯も勝利しています。

まさに血統のロマン。


▼補足4▼

というわけで、今日の制作時のBGMは。

96年リリースのPUFFY / これが私の生きる道。

子供の頃はわかりませんでしたが、今聞くと、めっちゃビートルズ。笑


▼補足5▼

本馬のGallop速報フォトプラスは、5/27(火)に発売。

※販売終了しました。


“アスコリピチェーノ勝利時の写真”と、“ロゴケイバのデザイン”が融合。

ぜひ、全国のコンビニのマルチコピー機でプリントアウトをして、お楽しみ下さい。

スマホケースに挟んで使うだけではなく、キーホルダーにするなど、様々な楽しみ方が可能です。

発売し次第、本アカウントでお知らせ致します。

1枚 : 400円。


▼ご購入方法▼

①取扱店舗

全国のコンビニ・マルチコピー機。

(セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、ポプラ、デイリーヤマザキ、セイコーマート)


②コンテンツ番号で、ご購入の場合。

商品ラインナップのコンテンツ番号から、ご購入頂けます。

コンテンツ番号は、発売日に本アカウントでお知らせ致します。


③マルチコピー機画面の一覧から、ご購入の場合。

コンテンツ番号が分からない場合は、一覧から選んでご購入頂けます。


④ コンビニによって、 プリント方法は異なります。

下記を参考にして下さい。

https://e-printservice.net/shohin/


「“映える”って、バレた」


ずっと強かった。

でも、騒がれなかった。


だから今日は、いつもと違う“色”を差してみた。

世界が振り返った。


幼い頃から、歴史的なヒロインだったのに。

君が気づいてなかっただけ。


これは、変身じゃなくて、“本性”。


-----


[補足1]

実績の割に、何故か騒がれない者。

世の中でも、競馬でも、必ずいます。

アスコリピチェーノの場合、2歳女王であり、国内連対率100%。

大きな負けは、1つだけ。

それも、豪州遠征。

かつ、不利な大外枠になった時だけでした。

確かに一番人気ではあったものの、もっと騒がれてもよい成績です。


[補足2]

今日の勝ちっぷりは、イメージチェンジとも言えるレベルの末脚。

一番人気に推されるぐらいですから、強いことは周知の事実。

けれど、こんなにも“魅せる”勝ち方ができるとは‥。

驚いた方も多いのでないでしょうか?


[補足3]

本馬の名前の区切り方は、

・アスコリ / ピチェーノ

・アスコ / リピチェーノ

どちらが正しいのでしょう?

JRAの英語表記では、“アスコリ / ピチェーノ”です。

しかし、アナウンサーは“アスコ / リピチェーノ”と実況しているように聞こえます。

ひとまず、デザインにおいては、JRAの英語表記に倣いました。


[補足4]

ヴィクトリアマイル・アスコリピチェーノのGallop速報フォトプラスは、5/20(火)に発売。



「栄光の頂上」


才能と修練で、プロセスの塔を築いてきた。


それでも、勝負は“完璧以上”を求める。

人馬は執念で、最後の一段を積み上げる。


目一杯、腕を伸ばした。

力一杯、脚を使い切った。


…到達したのは。

初夏の光が降り注ぐ、

誰よりも高い場所。


NHKマイルカップ・パンジャタワーのGallop速報フォトプラスは、5/13(火)発売開始!

-------


▼補足1▼

ロゴケイバにとって、松山弘平騎手は恩人です。

長年、デザインの仕事に携わる中で、競馬だけは全く縁のない世界でした。

(子供の頃から、めちゃくちゃ好きなのに!)


それでも、ほんの少しでもチャンスを掴めないかと、挑戦をはじめたのが「ロゴケイバ」です。

そのロゴケイバに、初めて正式な案件としてオファーをくださったのが、松山弘平騎手でした。

ご依頼内容は、松山騎手ご自身のロゴ制作。

いまではそのロゴが、騎手ズボンや鞍にもしっかりと刻まれています。


その姿でG1を勝つ姿を目にできたこと。

ただ夢が叶った、というだけではありません。

夢の続きに、連れて行ってもらったような気分です。

本当に嬉しく、心から感謝しております。


参考1 https://logokeiba.amebaownd.com/posts/34370190

参考2 https://logokeiba.amebaownd.com/posts/54137454


▼補足2▼

パンジャタワーの父、タワーオブロンドン産駒はG1初制覇です。

なお、名前の由来となった、タワーオブロンドンとは城塞のロンドン塔であり、ビッグベンとは別物です。


▼補足3▼

パンジャタワーの調教は凄まじく、前日のエプソムカップ勝ち馬セイウンハーデスを置き去りにしていました。


▼補足4▼

所属の橋口慎介厩舎は、これで土日の府中重賞ジャック。

鞍上の松山弘平騎手は、これで通算重賞50勝目。

記録づくしの勝利となりました。

「俺たちは、一緒に強くなってきたんだ」


名コンビは、馬場を選ばない。

戦法にも、縛られない。


積み重ねた日々が、

お互いを、確かに支えてくれる。


だから今年も、“強い絆”を証明してみせた。

去年とは、違う勝ち方で。

—これ以上の信頼は、きっとない。


ーーーーー


▼補足1▼

シャマルの名前の由来は、“風”。


▼補足2▼

まるで、一度クリアしたゲームを、別ルートで再び攻略する“周回プレイ”のように。

馬場状態も位置取りも、まったく異なる展開。

それでも、連覇を成し遂げました。


▼補足3▼

昨年の不良馬場と、今年の良馬場。

正反対の馬場状態での連覇達成は、前代未聞です。